社内研修動画は長編1本より「5分×複数本」の方が使われる理由

社内研修を動画化する際、

「せっかく作るのだから、必要な情報を1本にまとめて、丁寧に説明しよう」

と考えることがあります。

説明の抜け漏れをなくし、
受講者に正しく理解してもらおうとすれば、
動画がある程度長くなるのは自然なことです。

しかし、情報を漏れなく盛り込んだ長編動画が、
必ずしも実際の研修で使いやすいとは限りません。

むしろ、社内研修動画は長編1本にまとめるよりも、
テーマごとに短く分けた方が、
受講者にも研修担当者にも使いやすくなる場合があります。

私自身、過去に長編の動画研修コンテンツの制作に携わり、
そのことを痛感した経験があります。

目次

合計5時間近い研修動画に寄せられた厳しい声

かつて私は、動画1本あたりの平均時間が約30分、
合計では5時間近くに及ぶ研修コンテンツの制作に携わったことがあります。

内容を漏れなく伝えることを重視し、
必要な情報を一つずつ丁寧に盛り込んだ研修でした。

制作する側としては、説明不足にならないように配慮し、
できるだけ充実した内容にしようと考えていました。

ところが、研修後のアンケートで受講者の声を確認したところ、
想定とは異なる反応が多く寄せられました。

「長すぎて、全然頭に入ってこない」

「途中で何度も挫折しそうになった」

そのような厳しい意見が大半を占めていたのです。

内容を丁寧に作り込むことに意識が向くあまり、
受講者がどのような状態で動画を見るのか、
最後まで無理なく学べる構成になっているのか
という視点が不足していました。

この経験から私は、
説明内容が充実していることと、
受講者に伝わることは同じではない
と学びました。

長編動画は視聴を始めるハードルが高い

社内研修では、受講者が通常業務の合間に
動画を見るケースも少なくありません。

そのような状況で
「これから30分の動画を見なければならない」
と思うと、視聴を始めること自体が負担になります。

急ぎの仕事が入れば、後回しになるかもしれません。
途中で中断したまま、再開する機会を失うこともあります。

一方、「まずは5分の動画を1本見ればよい」と分かっていれば、
業務の合間にも視聴しやすくなります。

もちろん、5分という数字が絶対的な正解ではありません。

重要なのは、受講者が無理なく集中できる長さに分け、
学習を始める心理的な負担を小さくすることです。

必要な情報だけを見返しにくい

長編動画のもう一つの問題は、
後から必要な部分だけを確認しにくいことです。

例えば、新入社員向けの研修動画に
次の内容がすべて収録されているとします。

  • 勤怠の入力方法
  • 経費精算の手順
  • 社内システムへのログイン方法
  • 情報セキュリティ上の注意
  • 各種申請のルール

初回の研修では、
すべてを順番に視聴してもらう必要があるかもしれません。

しかし、実務が始まってから受講者が確認したいのは、
そのうちの一部分です。

「経費精算の方法だけをもう一度確認したい」と思ったとき、
30分や60分の動画から該当箇所を探すのは手間がかかります。

それぞれをテーマ別の短い動画に分けておけば、
必要な動画を選んですぐに確認できます。

研修動画は、一度見てもらうだけの教材ではありません。

実務で困ったときに繰り返し参照できる状態にしておくことで、
社内の説明資産として価値を持つようになります。

内容を更新しにくくなる

社内研修の内容は、作成した時点から変わらないとは限りません。

社内制度の改定、業務フローの変更、システム画面の更新、
担当部署の変更などにより、動画の一部を修正する必要が生じます。

複数のテーマを1本の長編動画にまとめていると、
一部分の変更のために動画全体を編集し直さなければならないことがあります。

修正の影響範囲が大きくなれば、担当者の負担も増えます。

その結果、
「内容が少し古いが、作り直すのは大変なのでそのままにしておこう」
という状態が起こりやすくなります。

テーマ別に短く分けていれば、
変更があった動画だけを修正すれば済みます。

短い動画は受講者が見やすいだけでなく、
制作・運用する側にとっても更新しやすいのです。

「動画が長い」のではなく、扱う単位が大きすぎる

ここで注意したいのは、
単純に動画を途中で切ればよいわけではないということです。

例えば、60分の研修動画を機械的に5分ずつ12本に分割しても、
それぞれの動画の内容が中途半端であれば、
かえって分かりにくくなります。

重要なのは、時間ではなく内容の単位です。

「新人研修」という大きな括りで考えるのではなく、
受講者が実務で確認する場面を想定しながら、
小さなテーマへ分解します。

例えば、次のように整理できます。

  • 勤怠入力の基本
  • 休暇申請の方法
  • 経費精算の申請手順
  • パスワードを忘れたときの対応
  • 顧客情報を扱う際の注意事項

1本の動画につき、一つの目的、
一つのテーマを基本とする考え方です。

このように、学習内容を小さな単位に分け、
短時間で学べるコンテンツとして提供する方法は、
「マイクロラーニング」と呼ばれます。

数分程度の動画をテーマごとに用意することで、
受講者が必要な内容を必要なタイミングで学びやすくなるのが特徴です。

ただし、単に動画を短く切り分けるのではなく、
1本ごとに学習の目的やテーマが完結していることが重要です。

このように分ければ、結果として動画は短くなり、
タイトルを見ただけで何を学べるのかも分かりやすくなります。

短く分けることで、説明業務も減らしやすくなる

社内研修動画を作る本来の目的は、
動画を最後まで視聴してもらうことではありません。

研修担当者が同じ説明を何度も繰り返す負担を減らし、
誰が説明しても内容がぶれない状態をつくり、
必要な情報を社員が自分で確認できるようにすることです。

その目的を考えると、長編動画を一本完成させることよりも、
使いやすい短い動画を少しずつ蓄積していく方が合理的です。

内容に変更があれば該当する動画だけを差し替え、
新たな問い合わせが増えたら、そのテーマの動画を追加する。

このような運用ができれば、
社内研修動画は一度きりの制作物ではなく、
継続的に改善できるナレッジの集積になります。

大切なのは「丁寧さ」よりも「使われ方」

私自身、合計5時間近い研修コンテンツを制作し、
受講者から厳しい評価を受けた経験を通じて、
制作側の丁寧さがそのまま受講者の理解につながるわけではないと学びました。

伝えたいことをすべて盛り込むだけでは、
受講者にとって使いやすい研修にはなりません。

社内研修動画では、次の点を考えることが重要です。

  • どのような場面で視聴するのか
  • 何を学んだり確認したりする動画なのか
  • 後から必要な部分だけ見返せるか
  • 内容が変わったときに更新できるか

そのための現実的な方法が、
内容を小さなテーマに分け、
短い動画を複数本作ることです。

最初から大規模な研修動画を完成させる必要はありません。

まずは、社内で繰り返し説明している一つのテーマを選び、
短い動画にしてみる。
その動画が実際に使われるかを確認しながら、
少しずつ増やしていく方が、無理なく継続できます。

社内研修動画は、長く詳しく作ることよりも、
必要なときに使われ続けることが重要です。

動画を作ることだけでなく、
社内で継続的に活用・更新できる仕組みを整えたい場合は、
下記のPPT動画化・内製化支援のページもご覧ください。
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社内説明を「何度も説明する仕事」から「いつでも伝わる仕組み」へ…

PowerPoint資料を活用した社内説明・研修動画の内製化支援については、こちらをご覧ください。

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