社内動画を作るのに高額な動画編集ツールは必要なのか?

社内研修や業務説明の動画化を検討すると、
多くの企業で最初に話題になるのが「動画編集ツール」です。

「動画を作るなら高額なツールが必要なのでは?」

「専門の制作会社に依頼しないと難しいのでは?」

「動画編集のスキルがある社員がいない」

そんな不安から、動画化そのものを諦めてしまうケースも少なくありません。

しかし、社内向け動画に限って言えば、
必ずしも高額な動画編集ツールは必要ありません。

むしろ私がこれまで企業向け動画配信や研修コンテンツの制作に携わってきた経験から感じるのは、
「ツール選びよりも大切なことがある」ということです。

今回はその理由についてお話しします。

目次

社内動画とYouTube動画は目的が違う

まず前提として、社内動画とYouTube動画は目的が大きく異なります。

YouTube動画では、

  • 最後まで視聴してもらう
  • チャンネル登録してもらう
  • 広告収益につなげる

といった目的があります。

そのため、

  • 派手なテロップ
  • 目を引く演出
  • 凝った画面効果
  • 魅力的なサムネイル

などが重要になります。

一方で社内動画の目的はどうでしょうか。

  • 新人教育を行う
  • 業務手順を説明する
  • システム操作を伝える
  • 制度変更を周知する

といったものが中心です。

ここで求められるのは「面白さ」ではなく「分かりやすさ」です。

正確に伝わること。

必要なときに見返せること。

更新しやすいこと。

これらの方がはるかに重要です。

実は、新たなソフトを購入しなくても始められる

動画編集というと、数万円から数十万円する専門ツールを想像する方もいます。

しかし、多くの企業では既に会社で契約しているサービスの中に、
動画作成に使える機能が含まれている場合があります。

Microsoft 365(旧 Office 365)を使っているならClipchamp

ExcelやWord、PowerPointを利用するために、
Microsoft 365(旧 Office 365)を契約している企業は多いと思います。

その場合、Clipchampという動画編集ツールが利用できるケースがあります。

私自身も頻繁に利用していますが、
社内向け動画を作るのであれば十分実用的なツールです。

ClipchampにはWindows向けアプリ版もありますが、
ブラウザだけでも利用できるため、
新たなソフトをインストールしなくてもすぐに始められるのも魅力です。

例えば、

  • スライド資料を動画化する
  • ナレーションを追加する
  • 字幕を入れる
  • 不要部分をカットする

といった作業は比較的簡単に行えます。

特にPowerPointとの相性が良く、
普段からPowerPointで資料を作成している担当者であれば習得しやすいと感じています。

Google Workspaceを使っているならGoogle Vids

Google Workspaceを利用している企業であれば、
Google Vidsという選択肢もあります。

Googleスライドに近い感覚で利用できるため、

  • 共同作業しやすい
  • Google環境との連携が容易
  • AIによる作成支援が受けられる

といった特徴があります。

こちらもブラウザ上で利用できるため、
専用ソフトのインストールは不要です。
GoogleドキュメントやGoogleスライドを使うのと同じ感覚で始められます。

GoogleドキュメントやGoogleスライドを日常的に使っている組織であれば、
導入のハードルは比較的低いでしょう。

本当に必要なのは編集技術ではない

ここで誤解してほしくないのは、

「誰でも簡単に動画が作れます」

という話ではないことです。

確かにツールは手軽になりました。

しかし、動画化で成果が出るかどうかは別の問題です。

実際に動画化に取り組んだ企業でよく見られるのは、

  • 何を動画化すべきか決まっていない
  • 動画が長すぎる
  • 更新担当者が決まっていない
  • 公開後の運用が考えられていない

というケースです。

結果として、

「動画は作ったけれど誰も見なくなった」

「内容が古くなった」

「結局また人が説明している」

という状況になってしまいます。

これはツールの問題ではありません。

運用設計の問題です。

社内動画に必要なのは「構造化する力」

私はこれまで企業向け研修コンテンツの制作や動画化に携わってきましたが、
動画制作で最も重要なのは編集スキルではなく、
伝える内容を整理する力だと考えています。

例えば、

  • 何を伝えるのか
  • 誰に伝えるのか
  • どの順番で伝えるのか

を整理できれば、動画の大部分は既に完成しています。

実際、社内でPowerPoint資料を作成している担当者の多くは、
この「構造化する力」を既に持っています。

あとはそれを動画という形式に変換するためのコツを身につけるだけです。

高額なツールよりも大切なこと

もしこれから社内動画の活用を検討するのであれば、
最初から高額なツールを導入する必要はありません。

まずは、

  • PowerPointで資料を作る
  • ClipchampやGoogle Vidsで動画化する
  • 社内で試験運用する

このくらいの規模から始める方が現実的です。

そして実際に運用しながら、

  • どんな動画が使われるのか
  • どんな動画は見られないのか
  • どこに改善余地があるのか

を把握することが重要です。

動画化の目的は動画を作ることではありません。

説明業務を減らし、
教育品質を安定させ、
社内にノウハウを蓄積することです。

その目的を考えると、最初に検討すべきなのは高額なツールではなく、
「自社で継続できる仕組み」なのかもしれません。

実際に私は、PowerPointを活用した社内説明資料の動画化や、
その後の運用・内製化を支援しています。

まずは小さく1本作ってみるところから始めると、
自社に合った進め方が見えてくるはずです。

社内説明を「何度も説明する仕事」から「いつでも伝わる仕組み」へ…

PowerPoint資料を活用した社内説明・研修動画の内製化支援については、こちらをご覧ください。

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