社内研修や業務マニュアル、システム操作説明などを動画化しようと考えたとき、
多くの企業が最初に悩むのが、
「自社で作るべきか」
「制作会社に依頼するべきか」
という問題です。
実際に私も相談を受ける中で、
「動画制作会社から見積もりを取ったが想像以上に高かった」
「とはいえ社内で作れる気もしない」
「結局どちらが正解なのか分からない」
という声をよく耳にします。
しかし、この問いには少し落とし穴があります。
なぜなら、本当に考えるべきなのは「内製か外注か」ではなく、
どのような動画を、どのように運用していくのか
だからです。
今回は、社内向け動画を検討する際の判断基準についてお伝えします。
社内向け動画と一般的な動画は目的が違う
まず押さえておきたいのは、
社内向け動画と一般的な動画は目的が大きく異なるということです。
例えばYouTube動画や広告動画であれば、
- 多くの人に見てもらう
- 商品やサービスを魅力的に見せる
- ブランドイメージを高める
といった目的があります。
そのため、
- プロによる撮影
- 派手な演出
- 高度な編集技術
が重要になる場合があります。
一方で、社内向け動画の目的は少し違います。
例えば、
- 新人教育
- 業務手順の説明
- システム操作説明
- 制度変更の周知
などです。
ここで求められるのは、
「分かりやすく伝わること」
「繰り返し使えること」
です。
必ずしもテレビ番組のような映像品質は必要ありません。
むしろ重要なのは、
「誰が説明しても同じ内容が伝わること」
だったりします。
内製に向いているケース
では、どのような場合に内製化が向いているのでしょうか。
更新頻度が高い場合
最も分かりやすいのが更新頻度です。
例えば、
- 社内ルール
- システム操作手順
- 業務フロー
- 申請方法
などは、定期的に変更されることがあります。
こうした動画を毎回外注していると、
- 修正依頼
- 見積もり
- 発注
- 納品待ち
という流れが発生します。
結果として、
「古い内容のまま使い続ける」
ということが起こりやすくなります。
更新が前提となるコンテンツは、内製化との相性が非常に良いと言えます。
今後も動画を増やしていく予定がある場合
新人研修動画を1本作ったら終わり、という会社はあまりありません。
実際には、
- 業務マニュアル
- 部門別研修
- 社内制度説明
- 管理職向け教育
など、次々に動画化したいテーマが出てきます。
動画本数が増えるほど、外注コストも増えていきます。
そのため、
「継続的に動画を活用したい」
のであれば、早い段階で内製化を視野に入れた方が合理的です。
ノウハウを社内に残したい場合
社内向け動画の本当の価値は、動画そのものではありません。
価値があるのは、
「説明の仕組みが社内に残ること」
です。
説明内容を整理し、
スライド化し、
動画化し、
更新し続ける。
このサイクルを自社で回せるようになると、
特定の担当者に依存しない教育体制を作ることができます。
外注に向いているケース
もちろん、外注が適しているケースもあります。
映像品質そのものが成果に直結する場合
例えば、
- 採用動画
- 会社紹介動画
- 展示会映像
- 商品PR動画
などです。
こうした動画では、
- 撮影技術
- デザイン
- 演出
- 編集
が成果に大きく影響します。
映像そのものが商品の一部になるため、プロの制作会社が力を発揮しやすい領域です。
一度作れば長期間使う予定の場合
例えば、
- 企業理念紹介
- 会社紹介
- ブランドムービー
などは頻繁な更新が発生しません。
こうしたコンテンツは、
更新のしやすさよりも完成度を重視した方が良い場合があります。
第三者視点による企画・演出が必要な場合
社内の人だけで動画を作ると、
どうしても「知っていて当然」という前提で話してしまうことがあります。
その結果、
- 専門用語が多い
- 説明が長い
- 何を伝えたいのか分かりにくい
ということが起こります。
このような場合は、第三者の視点で
「何を伝えるべきか」
「どう見せるべきか」
を整理してもらう価値があります。
いちばん失敗しやすいパターン
私がこれまで見てきた中で、最も失敗しやすいのは、
動画だけを外注して運用を考えていないケース
です。
最初は立派な動画が完成します。
しかし、
- 更新方法が分からない
- 修正のたびに費用がかかる
- 担当者が変わる
- 内容が古くなる
といった問題が発生します。
すると、せっかく作った動画が使われなくなってしまいます。
社内動画は成果物ではなく、運用する仕組みです。
この視点が欠けると、内製でも外注でもうまくいきません。
迷ったら、まずは1本作ってみる
ここまで読んで、
「結局うちはどちらが向いているのか分からない」
と思われた方もいるかもしれません。
その場合は、
最初から大きな投資をしないことをおすすめします。
まずは1本だけ作ってみる。
実際に使ってみる。
更新が発生するか確認する。
社内で運用できそうか試してみる。
そのうえで、
- 内製化を進めるのか
- 一部だけ外注するのか
- 外注中心で進めるのか
を判断すれば十分です。
まとめ
社内向け動画において、
「内製が正しい」
「外注が正しい」
という単純な答えはありません。
判断基準になるのは、
- 更新頻度
- 動画本数
- 運用期間
- 社内に残したいノウハウ
です。
そして何より重要なのは、
動画を作ることではなく、
動画を使い続けられることです。
もし社内説明や研修の動画化を検討していて、
「自社の場合はどちらが向いているのだろう?」
と迷われているのであれば、
まずは小さく1本試してみるところから始めてみてください。
PowerPoint資料を活用した社内説明・研修動画の内製化支援については、こちらをご覧ください。


